スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スカルビックハルセン
IMGP0161.jpg

12月29日~30日の2日間で、夏隊の地質班がテント生活で調査を行なっているスカルビックハルセンに出掛けてきた。
昭和基地から南に約100km。
露岩帯の中の池のほとりにテントを張って、風光明美な場所に快適なキャンプがあった。
52次隊には同行者として2名の学校の先生が参加しているが、そのうちの一人、高知県の高校の先生、森岡女史と一緒にでかけた。

前回の50次隊では、着いた時の夏は野外観測がほとんどなかったし、帰る直前の夏は内陸のドームふじ基地に出かけていたので、夏の沿岸部は未経験だ。
冬とは違い、気温も高く、日差しがまぶしい。
リュッツォホルム湾1
昭和基地との位置関係はこんな感じ。
約100km。観測隊ヘリコプターで約30分のフライトだ。

IMGP0071.jpg
地質の研究者にとって、南極はパラダイスのような所らしい。
日本などでは、山は森林や土に覆われて基盤の岩の地層を見ることは難しい。
沢沿いや石切り場などの岩が露出した場所(露頭)で岩石を採取して研究を進めるが、南極の山は土壌や森林が無いので、ここでは言わば山一帯が露頭だ。
連続して岩の層が目の前に広がるのは南極ならではらしく、地質屋さんがわざわざ出かけてくる価値は充分あるという。

IMGP0057.jpg
わずか2日間だけだったが、非常に面白かった。
太古の昔、スカルビックハルセンは現在のスリランカと接していたらしく、初日に案内してくれたDr.Tさんは、スリランカやインドと南極で岩を追い求めているという。
写真の白い岩の上を歩いていたら、「今僕らはサンゴ礁の上を歩いています」と突然解説が始まった。
聞いていると写真の左側の黒い層は海山で、白い部分はその周りをとりまくサンゴ礁だったらしい。
いつ頃の話ですかと聞いてみると、「5億年くらい前ですねえ」という答え。
地質屋さんのタイムスパンは常人の域を逸脱している。

IMGP3689.jpg
「ここは溶けてます」とか、「ここは伸びてます」とか、「ここは千切れてます」とか、最初は何を言っているのか分からなかったけれど、色々と話を聞いていると、地層を見ている地質屋さんの頭の中では、5億年前の地下数10kmでの地層のゆがみや高温高圧下でぐにゃぐにゃになった岩の姿が渦巻いているらしい。

IMGP3698.jpg
タガネとハンマーが地質屋さんの道具。
素人目には同じような岩に見えるけど、突然しゃがみこんでカンカンたたき始める地質屋さん。

IMGP0210_20101231051548.jpg
2日目は大学院生のK君が案内してくれた。
彼もまたすでに立派な岩屋さんで、突然立ち止まったかと思うと「う~ん、これは・・・、ふむふむ」と岩に向かって首を傾げたり頷いたりしている。
私なんかは岩を見ているより、K君の挙動を見ている方が面白い。
目の前の岩の何に反応して、何を納得しているのか、凡人には理解できない世界がまだまだあることを実感する瞬間だ。

IMGP0218.jpg
分かりやすいのはこんな場面。
北海道の山でこんな写真を写したら、まぎれもなくヒグマの落し物なんだけど、これはガーネットのかたまり。
悠久の年を経て、南極とスリランカで起源の同じものが発見される不思議とそれに情熱を燃やす研究者の心意気を感じたスカルビックハルセンだった。
スポンサーサイト

Comment

管理人にのみ表示する

Re:
ogawaさん

コメントとエールありがとうございます。
年の瀬を実感できないまま、新年を迎えそうです。

良いお年をお迎えください。
K-HIGUCHI | URL | 2010/12/31/Fri 12:32 [EDIT]
南極とは思えない風景ですね、
今のところは気候がよさそうで
観測も、作業も進みそうな感じ
安全第一で頑張ってください。
ogawa | URL | 2010/12/31/Fri 07:17 [EDIT]

Track Back
TB*URL

Copyright © ANTARCTIC WIND. all rights reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。