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みずほから戻ったら夏だった
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みずほ基地への往復は、16日間の旅。
概ね天候にも恵まれ、7人の仲間と笑いの絶えない楽しい日々だった。
多少のトラブルはあったものの、みんなの創意工夫とチームワークで乗り切り、
本当に良い旅だったと改めて思う。
半年前から準備を始めた。
メンバーを決め、役割分担をし、担当ごとに準備を進め、数回のミーティングで
作業の進捗状況を確認しあい、そして本番に臨んだ。
もちろん7人だけで準備ができるわけではなく、使用する雪上車の整備は車輛
担当の機械隊員を中心に沢山の隊員が関わってくれたし、食糧は調理隊員が
真心こめて準備をしくてれた。
荷物を運ぶ橇は建築隊員が采配を振るって整備に当たり、持参する医薬品は
医療隊員が準備をして救急時の講習も開いてくれた。
内陸旅行の出発地点にあたるS16には数度の荷上げを行なって、その都度
多くの隊員が関わってくれたし、旅の途中の定時交信では隊長や通信隊員、
その他多くの隊員が毎日無線に出て話し相手になってくれた。
実際に旅をしたのは7人だけだったが、残りの23人の関わりが無ければ成立
しなかっただろう。
そういう意味では、52次隊全員の旅だったと言える。
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みすほ基地は大陸の沿岸から約250km内陸にある。
1970年にコルゲート棟が設置され、みずほ観測拠点が開設された。
以降16年間、大陸氷床の掘削を中心とした観測が行なわれ、さらに内陸のドームふじ基地建設の足掛かりとしても利用されていたが、老朽化が進み、1986年に無人基地となった。
今は基地は雪の下に完全に埋まっている。
みずほ旅行のミッションは、年々の積雪変化を調べる雪尺測定、積雪のサンプリング、無人磁力計の保守、54次隊で計画されているドームふじ基地旅行用の燃料の一部(ドラム缶144本)のデポが主な所だ。
その他、内陸旅行ノウハウの継承というのも大切な目的の一つだと私は考えている。

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昭和基地出発後、旅行支援隊のメンバーに見送られてS16を出発。
内陸旅行用の青いジャケットに身を包んでまずは記念撮影。

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内陸旅行用の大型雪上車SM100型は荷物を満載にした橇を7台引くことができる。
燃料ドラムは橇1台に12個積むことができ、ドラム1個に200ℓの軽油が入っているため、荷物だけで橇1台当たり約2.4トンの重さになる。
3台の雪上車が7台ずつの橇を曳いて走る様は壮観だ。

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内陸に入るにつれ、太陽の周りにハローが見られる機会が増える。

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ルートの途中に設置してある無人磁力計の保守風景。
雪に埋まった観測器を掘り出す所から始めるため、人手と時間がかかる。

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積雪のサンプリングは、地吹雪が吹きすさぶ中雪面にかがみこんで行なわなければならない。
つらい作業だが、担当の隊員は文句ひとつ言わず坦々と任務をこなしていた。
頭が下がる。

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雪面に刺した竹竿の高さを測るのが雪尺測定。
雪面から上に出ている高さを毎年測ることによって、その地点の積雪の増減がわかる。
また、GPSで測位することで、各地点の流動がわかる。
南極大陸の大きな氷の塊は、じわじわと流れているのだ。

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旅行期間中は、1台に2~3人が乗ってそこで寝泊まりする。
朝夕の食事は、食堂車に集まって賑やかに食べる。
食材は、昭和基地で調理隊員が作って凍らせてくれたものを湯煎で融かすなどして作る。
プロが作ってくれたものだけに文句があるはずもなく、一日の疲れをいやし、日々の活力の源となる。

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食糧担当の隊員は、風が強い中食糧橇から食材を選んで食堂車に運んでくれる。
私は期間中調理を担当したが、彼が運んで来てくれる食材を温め、圧力鍋でご飯を炊き、飲み物用のお湯を沸かし、みんなの作業の進捗状況に合わせてタイミングを見計らって食事を出した。

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SM100型は馬力があるだけに燃料を食う。
昼時とキャンプ地についてからの一日2回給油を行なう。
広大な南極大陸を吹き下ろす斜面下降風(カタバ風)が常時吹いているので、ひとつひとつの作業が大変だ。
給油時には風上側と風下側で燃料橇を挟むように雪上車を停め、風を遮りながらの作業となる。
風上に停めた雪上車は他の2台が終わるまで風よけの役目を果たす。
ちょっとした工夫の積み重ねで体力の消耗を防ぐ。

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昭和基地を出て8日目にみずほ基地に到着。
日本だと車で2~3時間の距離だが、時速7~8mで走り、観測や作業を行ないながらだとどうしても1週間はかかってしまう。
天候に恵まれて嬉しい限りだが、連日の作業で疲れがたまっていたので、みずほ基地でやるべき仕事を終えた後、1日休養停滞とした。
休養停滞日は、こんな天気がこの時期のみずほにあるのかと思えるような微風快晴。
最高の休日となった。
期間中の最低気温は、みずほで観測した-48.2℃。
私自身もこれまで経験した中では最も寒い気温だった。

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帰路は悪天で1日停滞したものの、追加のミッションもこなして順調に帰着。
-50℃近い気温を体験した後だと、-20℃台は暖かく感じてしまうから不思議だ。
少々見栄を張って半袖で記念撮影。
この後、みんなに取り囲まれて胴上げされてしまった。
みんなの気持ちが嬉しかった。

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迎えの支援隊とも無事に合流し、Mission completed.
いい仲間といい旅ができた。

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基地に戻ると1日10分ずつ日が長くなり、陽射しも強く、ペンギンやアザラシが北の温かい所から戻って来て、いよいよ夏到来といった感じだ。
11月はいよいよペンギンセンサスの季節。
明日から海氷上のルート工作を再開。
基地では53次隊の受け入れ準備が始まった。
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Comment

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お帰りなさい☆
ご無沙汰しております。
みずほ行き大成功で良かったですね。
そりゃぁ、‐50℃のあとは‐20℃は暖かいでしょうね(笑)

我々は(Gは4月に来てましたけど)7月下旬に予定通りキャンベラに引越してきました。Gは来年の南極行を狙っているけれどどうなるやら。。。
先日、私は日本から来ていた母を送りにシドニーに行き、T橋夫妻と会ってランチしてきました。そのときに、樋口さんの帰りはパースだよね~。。。って話しながら。せっかくシドニーに近いキャンベラに引越したのに、しらせの予定が変わって残念ですわ。

1月にちょっとだけ日本に行くことになったので、ぜひS原シェフのお店で50次隊の面々と再会したいと思っています☆
まだまだ5ヶ月くらいありますね。体に気をつけてがんばってください。
ブログ楽しみにしています。
Az | URL | 2011/11/05/Sat 12:12 [EDIT]

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