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西オングル島
penguin2.jpg

 昭和基地のある東オングル島と隣の西オングル島は、中の瀬戸と呼ばれる狭い海峡で隔てられている。
 西オングル島には、宇宙からの電波を受信するための施設があり、担当隊員はその機械の維持管理が任務のひとつとなっている。
 例年だと、2ヶ月近い夏作業中に3泊してその機械の引継ぎを行なうのだが、今年はわずか2週間ほどの時間しかなかったため1泊しかできず、充分なメンテナンスを行なえなかった。
 そのため徒歩でその施設に行きたいという担当隊員の希望があったが、中の瀬戸の海氷の状況が悪くてわたれない場合は、冬が近づいてからということになった。
 いずれにしても海氷をチェックしないと話が始まらないので、今日の午前中担当隊員と一緒に中の瀬戸の海氷状況をチェックに行った。
 久しぶりに基地から離れると、静けさが広がっている。聞こえるのは耳元の風の音くらい。
 幸いにも天気がよく、上着を脱いで海岸沿いを歩く。
 海氷にはペンギンが一羽遊んでいた。
 かつては氷床に覆われていたのだろう、なだらかな地形が続く。
 雪と氷の白、赤茶けた岩と砂礫。緑の全くない広大な景色に南極を感じる。
 中の瀬戸は氷に覆われていたが、潮の干満でできたタイドクラックという割れ目が見られる。そんなところに落っこちれば、下は冷たい海。
 初めてということもあって、ザイルで確保してもらいながら、ゾンデ棒と呼ばれる金属製の太い棒で氷の状態を確かめつつ、割れ目の少ないところを選んで慎重に渡る。
 見た目は簡単に渡れそうでも、表面に見られる狭いクラックの下が大きく広がっていることもあるので用心が必要だ。
 幸い氷は安定していて、無事に対岸に渡ることができた。
 西オングル島に初上陸。風景は東オングル島とさして変わらないが、初めて来る場所はいつも新鮮だ。
 せっかくなので、小高い丘に上がってみる。360度雪と岩の世界。西オングル島の広がりとその向こうに見えるラングホブデの岩山が印象的だった。
 久しぶりに歩いたので気分爽快。中の瀬戸が渡れることがわかって、肩の荷がひとつ下りた。
IMGP1740.jpg
潮の干満の影響でできた割れ目-タイドクラック。こんな所に落ちたら大変だ。

IMGP1748.jpg
ゾンデ棒を刺して安全を確かめながら慎重に進む。

IMGP1772.jpg
西オングル島の広がり。

IMGP1779.jpg
対岸は昭和基地のある東オングル島。間の低くなっている所が中の瀬戸。

IMGP1791.jpg
基地に戻る途中の蜂の巣山から見た昭和基地。手前の赤い建物が、2週間暮らした夏期隊員宿舎。
右側の池「第一ダム」にアザラシが泳いでいたこともあった。
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Comment

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No title
かめだまきさん

まきさんが来ても基地内は快適に過ごせること請け合いです。
外は寒いけどね。
基地内の様子はおいおいアップしていきますので、楽しみにしていてください。
K-HIGUCHI | URL | 2009/02/08/Sun 19:28 [EDIT]
No title
回答ありがとうございました。
そうですか、寒くないんですね。
でも、
冬のテントでも快適そうに過ごしていた樋口さんを思い出すと、
寒がりな私からすると、ホントなのかどうか・・・(笑)
ぜひ、どんなところで生活しているのかも、写真載せてください。
かめだまき | URL | 2009/02/08/Sun 14:15 [EDIT]
No title
かめだまきさん

さすがにペンギンにはレスポンスがいいですね。
実は3回望遠レンズに取り替えようとしたのですが、その都度水の中にポチャリ。
昨日はペンギンに嫌われてたみたいです。
そのうちどアップ大迫力のペンギンを写しますので待っていてください。

プレハブは確かに第1次観測隊のときに開発されたもので、当時の建物も基地の中に残っています。
今暮らしている建物もプレハブ工法ですが、50年前のものとは比べ物にならないくらい近代的で、断熱もしっかりしていて暖房もきいているので、基地内にいる限りは寒くはありません。快適ですよ。
K-HIGUCHI | URL | 2009/02/08/Sun 11:53 [EDIT]
No title
わ~~ペンギンっ!
ありがとうございます。
さっそく、PC壁紙にしました。
昭和基地を写真で見る限り、
開発中の土地にしか見えず「本当に南極?」というのが正直な感想です(笑)

先日、TVで『プレハブができたのは、南極の昭和基地がきっかけ』というようなことをやっていました。
樋口さんが生活しているところもプレハブなんでしょうか?寒くはないのでしょうか?
かめだまき | URL | 2009/02/08/Sun 10:43 [EDIT]
No title
sueさん

「命がけ」というほど危険な場所ではありませんでしたが、なめてかかると痛い目を見るのは確かです。
緊張感は長時間持続するものではないので、いつも緊張しっぱなしという訳にはいきませんが、緊張の糸を張り詰めたり緩めたりしながらここ一番でしくじらないようにするのが肝心かな。
北海道も「変な冬」が続いています。
南極も例年と比べると夏の間の天候はどうやら不順のようです。

宇宙からの電波を調べることで、天候や季節に関係なくオーロラのデータを得ることができるようです。
もう少し情報を仕入れてそのうち報告しますね。

ドカ雪に負けないでカナダの冬を乗り切ってください。
K-HIGUCHI | URL | 2009/02/08/Sun 10:06 [EDIT]
No title
あっ!!ペンギンだv-289
なんて、喜んじゃいましたが・・・・・

どこへ行くにも、命がけの仕事ですね・・・・・・
最初の何ヶ月間は、その良い緊張の糸が張ったままだと思いますが・・・
後半まで、持ち続けるように、うまくコントロールしないとi-184

そして、宇宙から、何の電波を受けているのかしら?
宇宙人から、メッセージが来たりして。笑。

北海道は今年、雪が少ないらしいですが、私の住んでいる街(カナダ)は、
めっちゃ多いですよ。
雪かき大変でした。でも、寒暖の差が激しく、変な冬です。
そして、その 「変な冬」という言葉、
実は、毎年使っています。

雪が少なかったり、多すぎたり、暖かかったり、寒すぎたり、
バランスが良くないですね~。

地球は私たちに、Warning!!を与え続けているんでしょうね。

sue  | URL | 2009/02/08/Sun 02:01 [EDIT]

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