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S16オペレーション
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昨日までの5日間、大陸に出かけてきた。
内陸旅行の出発点であるS16に行き、16台の橇と3台の雪上車のとっつき岬への回送、地圏部門のGPS観測、気象部門の観測機材の設置を行なった。
5月にS16に出かけた際に、深く埋まった橇を掘り出しておいたので、今回は比較的楽に橇を動かすことができた。
雪上車の運転、橇の引き回しと連結、ひとつひとつが内陸旅行で必須となる技術であるし、準備段階から積極的に関わることで自分の中に経験として着実に蓄えられることを実感している。
寒さ、風、雪、視界の悪さなどの自然的要因の他、同行した8人のチームワークと体調、雪上車の調子など、人的要因や機械的要因がうまく折り合って初めてオペレーションは成功する。
すべてが計画通りにスムーズに行くことのほうが稀で、常に変化する現場の状況に合わせて計画を見直し、少しでも理想に近づけようとする姿勢が大切だということを改めて感じた。
厳しい環境の中で、知恵を絞り、体を動かしての作業は、つらい部分もあるにはあるが、やりがいのある作業だし、楽しみながら行うことができる。
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初日、隊長の盛大な見送りを受けて出発した。
心遣いが嬉しい。

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2日目、S16での橇の引き出しは寒風が吹く中での作業となった。
凍傷に注意しながら、5月の経験を活かして比較的スムーズに作業を行なうことができた。

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S17に残地してある空きドラム缶も24本回収。
周辺の雪をSM60の廃土板で退かし、ドラム缶にスリングベルトをかけてSM100で引くと、氷漬けになったドラム缶がゴロンと転がり出る。

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3日目の朝、地球影とラングホブデ。

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引き出した橇を連結して雪上車につなぎ、出発準備完了。

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今日の愛車はSM109。

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4台の橇を牽いた。

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5台の雪上車で16台の橇を牽いてルート上を移動する。
コンボイのようだ。

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ルートの途中からオングル諸島を望む。
昭和基地も写っているが、この大きさでは判りにくい。

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太陽の左手のほうに幻日が見えた。
(ゲンジツトウヒという四字熟語が頭をかすめた自分が情けない)

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とっつき岬の寝泊りはSM100の中。
労働の後の語らいの時間は、場末の居酒屋のようだ。
イカを焼いた時の焦げた醤油の香りが妙にマッチした。

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4日目、昭和基地に持ち帰る7台の橇を海氷上に移動させる。

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潮の干満の影響でできるタイドクラックには道板を渡して万全を期した。

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道板の上から見たタイドクラック。開いている幅は30cmくらい。

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ルートの偵察に行った先にはこんな所もあった。

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反対方向はこんな感じ。こんな場所は渡れない。

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とっつき岬のそばにはこんなプレッシャーリッジも見られた。
ラングホブデのものより大きい。

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5日目。タイドクラックを渡り終え、橇列を雪上車に連結して出発準備完了。

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海氷上をコンボイが行く。
冷え込みの厳しい日は蜃気楼が目を楽しませてくれる。
そんな時は雪上車を停めてカメラを取り出す。

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中央やや右手に、蜃気楼の揺らぎの中の昭和基地が見える。

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氷山の上端がたなびくように見える。

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大気の揺らぎに合わせて氷山が伸び縮みするのが面白い。

かくして無事帰着。
土曜の鍋に間に合って、蟹鍋と日本酒で疲れを癒すことができた。
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Re:トウヒのなかま
Terra Nova さん

針葉樹とは知りませんでした。
南極にあるとすると「凍皮」と書くのかもしれませんね。
野外で逃避してたらどこかに落っこちてしまって頭皮を傷めるかもしれないので気をつけることにします。

昨日からブリザードが続いています。
K-HIGUCHI | URL | 2009/08/17/Mon 19:07 [EDIT]
Reイカ焼き
札幌太郎様

海氷上は今回作ったルート、大陸上は代々受け継がれているルートを利用しています。
いずれのルートにも数百メートル毎に標識旗を立てて、その旗をたどるように進みます。
海氷にはタイドクラックやプレッシャーリッジ、大陸では氷河のクレバスが待ち構えていますので、ルートを外れての走行はご法度です。
目隠しをされてポンと落とされたら、ルートを探すのにはかなり時間がかかると思います。

イカリングは残念ながら登場しませんでしたが、我々が留守中に昭和基地では重機のキャタがイカの開き状態になって大変だったようです。
K-HIGUCHI | URL | 2009/08/17/Mon 19:00 [EDIT]
トウヒのなかま
ゲンジツトウヒ、それは針葉樹ですね、山にも街路樹にもある。
私も時々見に行きます。
確かに枝は垂れ、葉は黒ずんで、なさけないかも。
でも不思議なエナジーを出しているんですね。
そうか、南極にまであるとは・・・。
Terra Nova | URL | 2009/08/17/Mon 17:32 [EDIT]
イカ焼き
当たり前の事なのかも知れませんが…GPSや航法(巡航が正しいのでしょうか)装置があるにせよ。なんにも無い所で走行出来るのはすごいですね。一昔前の植村直己さんの映画を思い出しました(植村直己物語)。

でも、雪上車の中でイカ焼き(醤油でしょうか…)こちらまで香ってきそうな雰囲気であります。似合い過ぎです。
イカリングにも登場したのでしょうか?
何よりも、お疲れさまでした。
札幌太郎 | URL | 2009/08/17/Mon 11:11 [EDIT]

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